「汝が何を求めてきたかわかった」
(我知道你們要找什麼了)

「わかったのですか」
(您知道了啊?)

ジョシュアが少し驚いたが、アナローズがウィザードである以上、気付くことがないと断定することはできないし、隠そうと思っても隠せるものでもないので、素直にうなずいた。
(喬書亞有點吃驚,既然雅娜露絲是魔法師,就不能斷定她注意不到,況且也不是能瞞得住的事。只好直截了當地承認了)

「では、助けてください」
(那麼,請幫助我們)

「その代わり、我が願いを聞き届けねばならぬぞ」
(做為交換,你也必須聽聽我的願望)

----------SKIP FEW LINES-----------
「ぼくにできるなら、聞き届けましょう」
(如果我辦得到,說說看吧)

マキシミンさえも、アナローズの口から出てきた要求を想像することはできなかった。
(連麥克斯明也想像不到雅那露絲會提出什麼要求)

「我が手で死んでほしい」
(希望你死在我手中)

風がやんだ。三人の息の声だけが聞こえる。マキシミンは何も言うことができず、唇をかみ締めた。ジョシュアは俯いていたが、やがて石の錨を見上げた。そしてアナローズを見た。
(風停止了。只聽得到三人呼吸的聲音。麥克斯明咬著嘴唇什麼話都說不出來。喬書亞雖然低著頭,但很快地又抬頭看向石錨、望向雅娜露絲)

「理解できません」
(我不明白為什麼)

もう一度開かれたアナローズの唇は先ほどよりも乾燥しているように見えた。

(雅娜露絲再次打開的唇看起來比剛剛更乾燥(?))
「理解できぬであろう」
(你當然不能理解吧)

ジョシュアが首を振った。
(喬書亞搖著頭)

「誰であれ自分がしなければならない理由を理解するのは難しいでしょう。しかしぼくが言ったのはそういう意味ではありません。ぼくが理解できないのは」
(不論是誰都很難理解自己非死不可的理由吧。但是我指的不是這個意思。我不明白的是...
)
ジョシュアはすばやく数回しばたたかせた。

(喬書亞快速地眨了幾次眼)
「そんなことをぼくに頼む必要はないはずです。あなたはぼくの同意がなくても、簡単にそれを遣って退けることができるのですから」
(這樣子的事您應該不需要拜託我。就算您沒有我的同意,也能輕易辦到才對)

驚くことにアナローズは首を振った。
(令人驚訝地,雅娜露絲搖了搖頭)

「いや、我の言いしことも、そのような意味ではない」
(不、我想說的,也不是那個意思)

「すると?」
(那麼是什麼?)

「もちろん、汝を殺すのは易しい。我が力のほとんどは封印を維持するのに使われ、自由に使えるかはごくわずかにしか過ぎないが、そんなことは問題にもならない。我が望みしことは汝の死ではなく、汝の納得なのだ」

(當然,要殺你很容易。雖然我的力量大部分都在維持封印,能自由使用的部分只有一小部分,但卻不是問題。我希望得不是你死,而是要你的同意)
「……」
(…….)

「汝はその事実を納得せねばならぬ」
(你必須要接受這樣的事實)

マキシミンが飛び上がった。
(麥克斯明幾乎跳了起來)

「まったく、聞いていられないぜ。あんたが誰であれ、どんなことをしていても、どんな苦労をしたにしても、数百年後に生まれたおれたちには何の責任もないってことを第一に頭に入れてくれ。苦労しすぎて頭がどうにかなっちまったにしても、それはおれやこいつの責任じゃない。数百年前に昇った太陽と今日の天気ぐらいに、関係のないことなんだ。あんたが正気だと仮定して、おれもちゃんとあんたの言葉を解釈してみることにする。まず、相手が納得すれば殺してもいいのか?自殺しようとしている奴を崖から突き落としてもいいのか?罪の意識を感じないですむのか?そんなことを考えたこともないおれとしては、まったく納得がいかないのだが、あえて言えば、卑劣そのものとしか言えない。そうじゃないか。そして何よりの、そんな納得が可能な奴なんてこの世にいるはずもない。もしいたとすれば、おれの分もあんたに任せる。おれの分なんかいらないだろうけど」
(真是聽不下去!不管妳是誰、做了甚麼事、怎麼辛苦,跟數百年後出生的我們一點關係也沒有這點妳先記著。就算因為太辛苦而變得頭腦不清楚,也不是我和這傢伙的責任。就像數百年前升起太陽和今天的天氣是扯不上關係的。假設妳腦袋沒問題,我也好好地解釋看看妳說的話。首先,只要對方同意殺了也可以?將本來就想自殺的傢伙從懸崖上推下去,就感受不到罪惡感嗎?對從來沒考慮過這種事的我來說,一點都不認同,勉強要說的話,只能說是卑劣(卑鄙)不是嗎?不管怎樣這世上一定沒有會接受這種事的人存在。假如有這種人的話,那我也隨妳處置好了!)

これまでの状況から考えると、早口でまくし立てるマキシミンの言葉をアナローズが理解できたかどうかはかなり疑問だ。しかしマキシミンはそんなことを神経を使いはしなかった。
(從到目前為止的狀況來考量,雅娜露絲是否能聽懂滔滔不絕說著話的麥克斯明相當令人存疑。但麥克斯明一點也不在意)
「あ、それから、万に一つ、こいつが死にたいと思ったにしても、何よりもまずおれに相談する必要がある。もしそうなら、もっとずっと前に、そう、劇場が火事になったときに放っておけばよかったんだ。しかしそこから救い出し、追ってくる殺し屋から逃げ回り、これまでこいつを生かすために苦労を重ねてきたんだ。だからおれの許可が絶対に必要なんだ。それから、こいつの答えはひとつに決まっているから、予め言っておこう。絶対に反対だ」
(啊、這之後,萬一,即使這傢伙說他想死,再怎麼樣都要先問過我。假如真的是這樣,在更早以前、對了、在那時劇場著火時就放著不管就好了!但我把他從那裡救出來、在殺手追殺下到處逃亡、好不容易讓他活下來了,所以我的許可是絕對必要的!何況這傢伙的答案一定只有一個,先說好,我絕對反對!)

----Demonic Sunburn35